金属そのものは身体に無害ですが、汗や唾液などによって金属がイオン化すると、金属の成分が皮膚を通して体内に入っていきます。金属アレルギーだという自覚はなくても、夏などに汗をかいたあと、アクセサリーや時計、ベルトのバックル、ジーパンの金具、眼鏡の金属部分など、肌に触れていたところが赤くなったり、かゆくなったりした経験がありませんか?
体内に取り込まれた金属イオンは、身体の中にあるたんぱく質と結合します。この「金属+たんぱく質」という新しい物質を身体は「異常なもの」と認識し、次に同じ金属が体内に入ってきてたんぱく質と結合した時に、身体がこの「金属+たんぱく質=異常なもの」を攻撃し、同時に皮膚や粘膜を破壊してしまうこと。 これが金属アレルギーのメカニズムです。
口の中は常に一定の温度に保たれ、しかも常に湿っています。高温で多湿な環境に金属を置いておくと、錆びたり劣化したりするのは想像できると思います。それと同じ状況が、あなたの口の中でも起こっている可能性があります。
ご希望の方には、当院と提携しているアレルギー専門内科医をご紹介いたします。内科でのアレルギー検査の結果をもとに、必要に応じてアレルゲンとなっている金属の除去等を行います。
20年くらい前まで、小さなむし歯を削った後の詰め物に、「アマルガム」という保険の金属がよく使われていました。このアマルガムという金属は、水銀を50%も含んでいます。
(水銀の他には、銀35%、スズ9%、銅6%、少量の亜鉛を含んでいます。)
「保険で認められている金属なのだから、水銀が含まれていても大丈夫なのでは?」と思われるかもしれませんが、金属は長い年月をかけて劣化していきます。ましてや、口の中は常に高温多湿な、金属にとって過酷な環境です。熱い飲み物などでも(ほんの少しずつですが)溶けてしまうことがありますし、長年のうちにアマルガムも腐食し、溶け出た成分が体に吸収、蓄積していくといわれています。
明るい部屋で、鏡を使って口の中を見てみてください。
昔むし歯治療をしたところに、黒ずんだ小さな詰め物があったら、それはアマルガムかもしれません。
水銀は、不定愁訴を引き起こすとも言われています。水銀が胎児や母乳に影響を与える可能性があることから、イギリスの厚生省やスウェーデンでは、妊婦にアマルガムの詰め物をしないように警告しています。
アマルガムは固まりやすくて溶けやすい金属のため、以前は歯科治療でもよく使われていましたが、最近ではアマルガムが含む水銀の危険性を考慮して、だんだんと使われなくなってきています。 アマルガムは形が変わりやすいので、詰めてから年月が経ったアマルガムは、その境目からむし歯が再発することがよくあります。
当院では、むし歯を削った後の詰め物に、リスクの高いアマルガムを使わないことはもちろんですが、劣化して腐食しているアマルガムの除去も積極的に行なっています。
気になる方は、一度ご相談ください。
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